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危険な空き家の増加を受け、国は空き家対策を強化し続けています。全国の空き家は過去最多の約900万戸に達し、2023年(令和5年)12月には「空家等対策の推進に関する特別措置法」が大きく改正されました。国の動きに合わせて呉市も調査や条例の制定、計画の改定など、さまざまな取り組みを実施しています。今回は呉市の空き家対策特別措置法について、2023年改正のポイントも含めて分かりやすくまとめました。
総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家数は900万2千戸、総住宅数に占める空き家率は13.8%で、いずれも過去最多・過去最高を更新しました。このうち、賃貸・売却用や別荘などを除いた、いわゆる使い道が決まっていない空き家も385万6千戸にのぼります。空き家数はこの30年でおよそ2倍に増えており、対策は全国的な課題です。
呉市も例外ではありません。呉市の調査(平成30年時点)では市内の空き家は約27,960戸とされ、少子高齢化や人口流出を背景に空き家率は上昇傾向にあります。空き家となったきっかけは「住んでいた人が亡くなった」が最も多く、相続をきっかけに管理が行き届かなくなるケースが目立ちます。
※参照元:総務省「令和5年住宅・土地統計調査」PDF(https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/kihon_gaiyou.pdf)
少子高齢化や人口流出などで人口減少が起こり、それに伴い呉市でも多くの空き家が発生しています。空き家の管理が行われていなければ、倒壊の危険性や治安・景観・公衆衛生の悪化など、さまざまな問題を招くことになるでしょう。
そこで呉市では空き家の適切な管理を促し、倒壊などの事故や犯罪などを未然に防ぐために「呉市空家等対策計画」を制定しました。
当初の計画期間は平成29年度から令和4年度までの6年間でしたが、この期間の満了と2023年(令和5年)の法改正を受けて、呉市は令和6年6月に「第2次呉市空家等対策計画」を改定しました。改定後の計画では、法改正で新設された「管理不全空家等」への指導・勧告にも対応し、①空き家化の予防(発生抑制)、②空家等の利活用の促進、③管理不全な状態の解消、④跡地の利活用という4つの方針のもとで対策を進めています。国の空き家対策の動向や社会・経済情勢の変化に応じて、計画の内容は適宜見直されています。
空き家の倒壊に伴う事故や犯罪、火災などを未然に防止するため、空き家の管理の適正化を促す目的で「呉市空き家等の適正管理に関する条例」が平成26年1月1日から施行されました。国の「空家等対策の推進に関する特別措置法」が制定されたことで、平成27年7月27日に「呉市空家等の適切な管理に関する条例」に改正されています。
空き家の所有者・管理者は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないような管理の徹底が定められており、適切に管理されていない空き家に対しては立ち入り調査を実施。「特定空家等」と認められれば、所有者・管理者に対応を行うように助言・指導・勧告を行います。それでも必要な処置を履行しなければ、代執行も行えるように定めているのです。
空家等対策特別措置法は、適切に管理されていない空き家がもたらす防災・衛生・景観上の問題に対応するため、平成26年(2014年)に制定され、平成27年(2015年)に全面施行された法律です。市区町村が空き家の実態を調査し、危険な空き家の所有者に対して助言・指導・勧告・命令を行い、最終的には行政が代わりに解体する「行政代執行」まで踏み込める仕組みを定めています。
従来は状態が著しく悪化した「特定空家等」に認定されて初めて本格的な行政指導が入る仕組みでしたが、それでは危険な状態になってからの後手の対応になりやすいという課題があり、令和5年(2023年)12月13日に改正法が施行されました。
下記の条件を満たすような空き家の場合、「特定空家等」と認められる可能性があります。
2023年の改正で新たに設けられたのが「管理不全空家等」という区分です。これは、今はまだ特定空家等ではないものの、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれのある空き家を、市区町村が認定できるようにしたものです。窓や屋根の破損、庭木や雑草の繁茂などで管理が不十分な状態が対象になります。
ねらいは「特定空家等になる前の早い段階で手を打つ」こと。管理不全空家等に認定されると市区町村から指導を受け、改善されない場合は勧告へと進みます。そして次に説明するとおり、勧告を受けると税制上の大きなデメリットが生じます。
| 区分 | 管理不全空家等(2023年新設) | 特定空家等 |
|---|---|---|
| どんな状態か | 放置すれば特定空家等になるおそれがある状態 | 倒壊の危険・著しい衛生上の有害・景観の著しい悪化など、すでに深刻な状態 |
| 行政の措置 | 指導 → 勧告 | 助言・指導 → 勧告 → 命令 → 行政代執行 |
| 固定資産税の特例 | 勧告で解除(住宅用地の軽減が外れる) | 勧告で解除(住宅用地の軽減が外れる) |
| 罰則 | なし | 命令違反で50万円以下の過料など |
空き家を放置するうえで最も見落とされがちなのが税金の負担です。住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税の課税標準が軽減されています。
ところが、特定空家等または管理不全空家等に認定され、市区町村から「勧告」を受けると、この住宅用地の特例が解除されます。特例が外れると小規模住宅用地では課税標準がもとに戻るため、土地の固定資産税が最大でおよそ6倍に膨らむ可能性があります。2023年改正で管理不全空家等が対象に加わったことで、特定空家等になる前の段階でも増税の対象になり得る点に注意が必要です。「管理していないのに税金だけ上がる」という事態を避けるには、勧告を受ける前に、適切な管理・活用・解体のいずれかで空き家の状態を改善しておくことが重要です。
「特定空家等」に指定されたからと言って、すぐに代執行が行われるわけではありません。空き家の状況等を確認するために立ち入り調査を行い、助言や指導などの対策を実施。それでも改善が見られない場合は、改善期限を定めた上で勧告を行います。正当な理由なく勧告にも従わない場合、期限を定めて命令を下すステップに移り、命令に違反すると50万円以下の過料が科されることがあります。そこまでのステップを経ても履行しないときに、行政代執行法の方法によって強制執行となります。
また、市区町村による立ち入り調査を拒んだり妨げたりした場合には、20万円以下の過料が科される場合があります。空き家をそのまま放置しておけば、行政代執行が行われ、その解体費用は所有者に請求されます。強制的に行われるため費用を自分で選んで抑えることはできず、結果的に大きな負担となるおそれがあるのです。早めに空き家の状況を改善する必要があるでしょう。
管理不全空家等の新設以外にも、2023年改正では所有者・行政の双方に関わる見直しが行われました。
老朽化して危険な空き家の解体には、呉市の「危険建物除却促進事業」による助成を利用できる場合があります。一定の要件を満たす危険な空き家の除却について、対象経費の一部(上限あり)を市が補助する制度です。補助額や上限、対象条件・申請期限は年度によって異なるため、解体を検討する際は最新の募集内容を必ず確認しましょう。
2023年の法改正で、空き家は「特定空家等になる前」でも税負担が増えるようになりました。放置を続けるほど、増税・過料・代執行費用といったリスクは大きくなります。使う予定のない空き家は、賃貸・売却などで活用するか、危険な状態になる前に解体して更地にするなど、早めに方針を決めることが所有者自身を守ることにつながります。解体を検討する場合は、費用や工期、補助金申請のサポート体制などを比較して、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
【空き家・引っ越しなど】
家をなるべく安く解体したい
引用元:ドイ公式HP | 解体事例掲載数 | 103件 |
|---|---|
| 参考価格 | 木造30坪以下 60万円~(税不明) |
【火災処理・売却など】
とにかく早く解体したい
引用元:修榮公式HP | 解体事例掲載数 | 3件 |
|---|---|
| 参考価格 | 木造19.8坪 92万円(税不明) |